不良少女


私達の母親は、凛と同じ心臓病で亡くなってしまった。


それからだ… 凛が必要とされ始めたのは。


「まぁ、任せたぞ梨花。

お前は組の事だけ考えていればいいんだからな…。


契約を交わした以上、私の言うことは絶対だ」


私は、心を持たない人形なのだから…。


私がしっかりしないと、皆が潰されてしまうから…。


「そんなこと、分かっておりますお父様。

人形の私が心を持つなんてありえません。

きっとご期待に応えてみせます」


「期待しているぞ、梨花」


「はい…」
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