不良少女

そして、おっさんは苦しそうに咳込みながらオレ達を睨む。


「アンタら何してんの?」


道を横切った男がこちらに気づき、近づきながら低くドス黒い声でオレ達に話しかける。


「あ?

おにーさんっ逃げた方が身のためだよー?」


挑発する彼奴らに俺は溜め息を吐き、そのまま鑑賞する。

「逃げねぇよ。

逃げんのはてめぇらだろ?」


そう言った彼奴は近くにあったトイレの壁をぶん殴った。


その壁は容易く崩れてしまった。
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