俺と結婚しろよ!
「話の続きをするだけだ。
明日のリハには、必ず間に合わせる」
ヤバい。
賢ちゃんなのに、かっこいいと思ってしまう。
いや、賢ちゃんはかっこいいんだけど!
そして、賢ちゃんは勝ち誇ったように、悠真と大輝を見た。
そして続ける。
「それに俺、咲良と結こ……ぐふっ……
あたしはまた真顔で馬鹿なことを言う賢ちゃんを、思いっきり蹴り飛ばす。
あたしの足は賢ちゃんのみぞおちに入って、賢ちゃんは顔を歪めた。
もう、いい加減やめてよ、あたしをからかうの!
賢ちゃん、動揺するあたしを見て楽しんでるんでしょ。
「まぁ、そういうことだから……」
賢ちゃんはみぞおちを摩りながら、相変わらずクールに言う。
「咲良は借りる」
そう言って、車のエンジンをかけた。
「咲良!!クソぉッ!!!」
悠真の叫び声とともに、レクサスは走り出した。