俺と結婚しろよ!
あたしさ……
嬉しかった。
賢ちゃんから連絡が来て、すごく嬉しかったんだ。
「仕方ねぇよ。
遅かれ早かれ、咲良は俺と……」
「結婚するんでしょ?」
あたしはわざとらしく言ってやる。
「分かってんじゃん」
賢ちゃんは満足そうに言って、車を停めた。
気付いたら、あたしたちは綺麗な海沿いの駐車場にいて。
目の前には、キラキラ輝く高層マンション。
ひと目で分かった。
あたし、また賢ちゃんの家に来た。