俺と結婚しろよ!
「Fも来るんだね……」
声を震わせながら言う大輝。
そんな大輝の言葉にぴくりとする悠真。
「Fに……いや、玄に、俺たちの偉大さを教えてやろう」
悠真も馬鹿だ。
森井さんが言うように、レベルが違うのに。
それに、どうしてそんなに賢ちゃんを敵対視するんだろう。
「そそそそういえば咲良」
急に悠真の声が震える。
「玄とはどうなってんだ?」
「あぁ……」
あたしは答えた。
「十日くらい、音信不通だよ」
自分で言っておきながら、その言葉に落胆した。
そっか。
最後に会って、もう一週間以上経つのか。
なんだか賢ちゃんと会ったのが夢みたい。
「そうか!良かった!!」
あたしの言葉を聞いた悠真はなぜか有頂天で。
「咲良、玄のことなんて忘れて、まずはライブだ!!」
そうすることが出来れば、そうしたいよ。
それなのに、賢ちゃんのことばかり考えてしまうのは何でだろう。
「さぁ!もう一回通しでやるぞ!」