俺と結婚しろよ!
あたしはマイクを握り締めたまま、震えていた。
失敗という名の、あらゆる恐怖があたしを襲う。
怖い……
とても怖い。
「咲良?」
大輝が心配そうにあたしに言う。
「今日はこれで切り上げよ?」
「切り上げ?駄目だよ!!」
あたしは大輝のシャツを掴んでいた。
「全然なってない!
バラバラ!
危機感ないの?」
悠真はドラムセットに座ったまま、じっとあたしを見た。
そしてゆっくりと口を開いた。
「玄さんに連絡しよう」