俺と結婚しろよ!
ー大輝sideー
玄さんはすぐにスタジオに現れた。
もう夜中だというのに。
現れた玄さんは確かに玄さんなんだけど、いつもと雰囲気が違っていた。
少し髪を逆立て、
「咲良!」
咲良に駆け寄る。
咲良はそんな玄さんを見て、一瞬泣きそうな顔をした。
だけど次の瞬間、すごい勢いで睨む。
「賢ちゃん!
何で来るの?
リハなんだけど。
邪魔なんだけど。
……てか、馬鹿なの?」
咲良、玄さんに何てこと言ってるの?
寒気すらした。
だって……
この前のテレビ収録の日、Fの楽屋は恐怖でいっぱいだった。
玄さんだって、怖かった。