俺と結婚しろよ!
それなのに、玄さんはすっごく優しい顔で咲良を見る。
それを見て思った。
玄さんにとって、咲良はやっぱり特別なんだと。
「何言ってんだ。
俺、馬鹿じゃん」
玄さんはそう言って、咲良を軽々担ぎ上げる。
そして、咲良は顔をくしゃっとする。
それでも咲良は暴れ続けて、
「賢ちゃん!
あたしたちのライブを妨害する気?
信じらんない!!
Fなんて潰れればいいんだ!
Fなんて大嫌い!!」
玄さんの顔をパシパシ叩いた。
そんな咲良を見て思ったんだ。
咲良の気持ちは完全に玄さんのもの。
悠真には悪いけど……
勝ち目はないと思った。