俺と結婚しろよ!
こんなあたしを見て、少し口元を歪める賢ちゃん。
「俺らしくしてるよ。
……俺らしいドラムだと思うよ。
何てったって、俺のスティックはすげーからな……
っつーのは置いといて……」
賢ちゃんは馬鹿なことばかり言うのに、反撃出来ないあたし。
賢ちゃんの言葉に惹きつけられて、胸をじんじんさせて、そして、少しずつ安心していく。
「咲良は、明るく元気な新沢咲良としてやってんだろ?
咲良らしく楽しめばいいじゃん」
「え?」
「多少ミスっても、誰も気付かねぇよ。
それよりも、咲良が楽しいのが一番じゃね?
それに……」
「それに?」
「楽しんでいる咲良を見ると、俺も楽しい」
「賢ちゃん……」