俺と結婚しろよ!
「俺も頭悪ィな」
賢ちゃんは一口ビールを飲んで、髪を搔き上げる。
黒い短めの髪。
今日はセットもされていなくて、少し逆立っている。
そんな賢ちゃんが、何だか可愛い。
五つも年上なのに。
「咲良が気を遣うと思って連絡しなかったけど……
こんなことなら、もっと早く連絡すれば良かった」
「え……」
「咲良が苦しんでいたなら、すぐに飛んでくのに」
何それ。
賢ちゃん、相変わらず変なこと言うね。
でも……
すごく嬉しくて、すごくカッコいい。
あたしさ、賢ちゃんから離れられないと思う。
あんなにも悩んでいたのに、賢ちゃんといたら全て笑えるような気がしたんだ。