俺と結婚しろよ!
景色は壮大だった。







結局、あたしは賢ちゃんの家に泊まった。

賢ちゃんの言う通り、家に帰って一人になったら、またくよくよ悩んだと思う。

だけど、賢ちゃんといたら元気になれたんだ。






賢ちゃんのセミダブルのベッドに寝転がって、あたしの緊張がぶり返さないように、賢ちゃんはずっと手を握っていてくれた。

その、マメだらけの力強い手を、あたしはぎゅっと握りしめた。

そしていつの間にか、夢の世界へと入り込んでいた。

夢の中でも、あたしはライブをしていた。

マイクを握り、ギターをかけたあたし。

その後ろにはドラムセットに座った賢ちゃんがいて。

すごくすごく安心したんだ。




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