俺と結婚しろよ!
見回すと、ホールは人で埋め尽くされていた。
みんなが手を上げ、あたしたちの音楽に乗る。
鼓動はビートを刻み、気分はアゲアゲ。
あたしはギターを鳴らし、声を張り上げる。
サビの部分で客席にマイクを向けると、客席から歌声が聞こえる。
すごい!
みんな、ちゃんと聴いてくれていたんだ!!
何この一体感。
あたしの身体、興奮でバラバラになりそう。
ふと、賢ちゃんが座っているあたりを見た。
もちろん、ステージから賢ちゃんの姿は見えないし、賢ちゃんもキラキラうちわなんて持っていなかった。
でも、この場にいてくれるという事実が心強くて。
あたしは、見えない賢ちゃんに向かって笑いかけたんだ。
ありがとう!
あたし、賢ちゃんに救われた。
賢ちゃんがいたから、あたしはあたしらしくライブが出来る。