俺と結婚しろよ!








休んだり、シャワーを浴びたりしていると、ファンからの贈り物が届く。

たくさんの花束に、手紙に。

それを一つ一つ見ていき、涙が出そうになった。




そして……





「咲良」




あたしの大好きな声が聞こえた。

その声を聞くだけで、胸がじわっと熱くなる。

ライブ中もずっと考えてたよ、賢ちゃんのこと。

ライブが終わったら、頑張ったなって褒めてくれると思って。





悠真が扉の向こうに立つ賢ちゃんを、すごい勢いで睨んでいる。

大輝はおどおどしていて。

でも、あたしには、そんな二人の様子なんてどうでも良かった。





「賢ちゃん!」




賢ちゃんに駆け寄る。

ライブを終えて一旦落ち着いた鼓動が、再び速くなる。





あたしは走りながら賢ちゃんに手を伸ばし……

賢ちゃんもあたしに両腕を差し出し……

その腕の中に飛び込んだんだ。





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