俺と結婚しろよ!
だけど、やっぱり素直になれなくて。
「賢ちゃん、女慣れしてるでしょ?
だから、口先だけでペラペラ喋るんだ」
失礼極まりないあたし。
だけど、賢ちゃんは怒ったりなんてしなくて。
複雑な顔をしてあたしを見た。
「女って、甘いことを言ったらすぐにオチるよな。
そんなもんだと思ってた」
「はぁ?ウザい!」
そう言いながらも、あたしの胸の中はモヤモヤする。
やっぱり本当なのか、賢ちゃんがチャラいってことは。
あたし、正直賢ちゃんに本気になっている。
だけど、賢ちゃんは本気じゃないのかもしれない。
「だけど……
今回はそうはいかねぇな。
咲良の考えていることが分からねぇ」
「はぁ……」
そう答えつつも、身体がおかしくなるほどドキドキする。
ライブは終わったっていうのに、ありえないほど気分が高揚する。