俺と結婚しろよ!
「何を言ったら喜ぶんだろ。
どうして傷つけたんだろ。
馬鹿みてぇに真面目に考えてる。
……だから、少女漫画の力を借りんだ」
「やっぱり馬鹿だ」
馬鹿だよ、賢ちゃん。
本気に馬鹿。
あたし、とっくに本気なのに。
賢ちゃんのこと……大好き。
「でもまぁ、早く俺のものになれよ」
賢ちゃんはそう言って、少女漫画を閉じて丁寧に棚に戻す。
「だって俺、咲良と……」
「結婚するんでしょ」
あたしはため息混じりに言葉に出した。