俺と結婚しろよ!
「楽しかったか、咲良?」
その言葉に大きく頷くあたし。
賢ちゃんのおかげで、明日からまた頑張れそう!
「俺も楽しかった」
その言葉が何よりも嬉しい。
「だから……
いつ結婚する?
早めにしたほうがいいだろ」
「はぁ!?」
ヤバい。
ギャグがレベルアップした。
「俺と結婚したら、すげぇからな」
何がすごいんだろう。
「スティックもすげぇし、クラッシュシンバルもすげぇ」
「馬鹿だ……」
ぽつりと零したあたしに、
「楽しみにしてろよ!
俺が見守ってやるから、歌うように鳴け」
「賢ちゃんの馬鹿ぁ!!
意味不明!!!」
あたしは大声で叫んでいた。
こんな低レベルのギャグも愛しい。
……少しだけ、だけど。
そう思ってしまうあたしは、賢ちゃんに心のドラムをドタドタ叩かれているのだろう。