俺と結婚しろよ!
「特に何問題なかったか?」
「えぇ。客入りも順調。
オーナーなんていなくても、この店は大丈夫です!」
男性は自信満々に答えて、
「それはそれで悲しいぞ」
賢ちゃんは複雑な顔をしていた。
そんなやり取りを見て、賢ちゃん、本当にこの店を経営しているんだと思った。
賢ちゃんはあたしに教えてくれる。
「昔は俺が寝る間も惜しんで仕事していたんだがな。
最近はスタッフに任せっきりだ」
「そうなんだ。
それってFが……」
思わず言うと、賢ちゃんは苦い顔をする。
「まぁ、簡単に言うとそうだな。
なかなか二足わらじは難しい」