俺と結婚しろよ!
賢ちゃんはそう言うのに、スタッフの男性が笑顔で否定する。
「何を言われるんですか?
オーナー、普段はめちゃくちゃ仕事されているじゃないですか。
あれでバンド活動しているのが驚きです」
そうなんだ。
賢ちゃん、こっちの仕事もバリバリやってるんだな。
嬉しい反面ちくりとする。
あたしは、soleilだけでも大変で、もがき苦しんでいるのに!
「それに、こんな可愛い彼女も作って。
テレビ見ましたよ?
その娘、今キテる新人なんでしょ?」
「そうだ、俺の嫁だ」
賢ちゃんはまたまた馬鹿なことを言って、席に座った。
「オーナー、相変わらず馬鹿ですね」
男性は苦笑いして、厨房へ消えていった。