俺と結婚しろよ!
不意にあたしの携帯が振動した。
なんとなく予感がしたんだ。
慌てて携帯を取り出すと、賢ちゃんからの電話。
ヤバい。
胸がドキドキする。
今まで枯れていた世界に、急に花が咲くように、あたしの心が明るくなる。
あぁ、なんで電話一本でこんなにも嬉しいの?
なんでこんなに、賢ちゃんしか見えないの?
「咲良。これから暇か?」
いつもこれ。
賢ちゃんは急にあたしを召喚する。
はっきり言って、迷惑だったりもする。
あたしだって仕事があるんだから。
だけど、今はすごく嬉しい。
全てを放ってまで、賢ちゃんに会いたい。