俺と結婚しろよ!
だけど……
「咲良、俺のこと、好きだろ」
唐突なその言葉に、
「はぁ!?」
賢ちゃんを睨む。
図星だから。
賢ちゃんのこと、大好きだから。
賢ちゃん、やっぱりあたしの気持ちを知って、もてあそんでるんだ!
「賢ちゃんの馬鹿!」
必死に抵抗する。
それでも、やっぱり賢ちゃんは強い。
「馬鹿でいいぜ。
馬鹿は褒め言葉。
それよりな、咲良……」
そう言って、賢ちゃんはあたしの唇を人差し指でゆっくり撫でる。
ぞぞっとして、なんだか気持ちよくて。
熱くて、痺れて。
あたし、おかしくなりそう。
「もっともっと俺を好きにならせてやる。
四六時中、俺のことを考えないといけねぇくらい。
そうしたら……」
「俺と結婚しろ」
あたしはわざとらしく唇を尖らせて言った。
それを聞き、賢ちゃんは笑っていた。
賢ちゃん、本当に馬鹿だね。
あたし、もう末期だよ?
四六時中、賢ちゃんのことを考えているよ。