俺と結婚しろよ!






修也と別れてすぐ、賢ちゃんから連絡が来た。




ー今どこだ?今日はもう帰るけど。




その文字を見ただけで、胸がうち震えた。




賢ちゃんに会いたい。

だけど、会うのがなんだか恥ずかしい。

今の今まで、すごいライブを見ていたからかもしれない。

そして、玄はやっぱりかっこよくて……

ステージの上で、あんなことを言ったから。

あたし、どんな顔をして賢ちゃんに会えばいいんだろう。

今日のライブについて、なんて言えばいいんだろう。

考えすぎてしまって。

修也のことなんて、すっかり頭から落ちていた。






「咲良、今日は電車で帰る?

それともタクシー?」



そう聞いた大輝に、



「ごめん!

あたし、やっぱり賢ちゃんのところに行く!」



言い放ち、あたしは駆け出していた。






賢ちゃんに会えるってだけで、どうしてこんなに嬉しいんだろう。

胸が熱く踊って、早く早くっていう。



もつれる足を必死に動かして、あたしはアリーナへ戻ったんだ。




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