俺と結婚しろよ!
食べないと前にも進めない気がして、あたしは箸を伸ばす。
悔しいけど美味しくて。
少し頬がほころんだ。
こんなあたしを見て、修也は満足そうに笑う。
「君、普段美味しいもの食べてないよね?」
「そんなことありません!」
賢ちゃんの料理……
そう言って、言葉を呑んだ。
あたし、こんな時まで賢ちゃんのことばかり考えている。
賢ちゃんのことしか考えられないんだ。
修也は賢ちゃんの秘密を教えてあげるってもったいぶって言うけど、きっと大したことはない。
そんな噂で、賢ちゃんとあたしの仲が終わるはずないんだから!
でも、修也がすごくすごく言いたいみたいだから、仕方ないから聞いてやろう。
「玄さんの秘密って何ですか?」
あたしは再び聞く。
すると、修也はにやっと笑って、あたしに紙切れを差し出した。