俺と結婚しろよ!
これってつまり……失恋だよね。
「ははっ、また駄目だった!」
咲良は涙に濡れた頬を上げ、懸命に笑う。
そんな咲良が痛々しくて、見てられない。
「あたし、男運ないよね。
これからは、仕事を恋人にしなきゃね」
そんなこと、言わないでほしい。
玄さんに惚れていた咲良は、今までで一番幸せそうで。
悠真には悪いけど、ホッとしていたんだ。
修也と会うまでは、咲良の様子に変わりなかった。
玄さんのことを描いたと思われる、甘い甘い詩も持ってきた。
……なのに、なんで?