俺と結婚しろよ!
「両A面で行こう!!」
大輝が元気に言う。
「さすが咲良。
今度のシングルは売れるぞ!」
悠真もニコニコ笑っている。
そんな二人に、あたしも元気に言う。
「一曲目はボツね!
さようならだけで」
「なんで?」
眉間に皺を寄せて聞く悠真に、あたしは言う。
「だって、一曲目みたいな幸せな歌、歌えないもん!」
そうだよ。
あの曲を描いたときの自分が憎い。
その後、こんな惨めな地獄を見ることになるなんて。
だけど、大輝も折れてくれなくて。
「これって、玄さんに対する仕返しになることない?」
なんて言う。
仕返し?
訳が分からないんだけど。