俺と結婚しろよ!
あたしは、賢ちゃんに手を握られたまま、賢ちゃんを見上げていた。
次から次へと涙が溢れていた。
やっぱり賢ちゃんが好きだ。
好きで好きで仕方がない。
裏切られた時のことを考えると、賢ちゃんと戻るのがすごく怖い。
でも……
賢ちゃんを信じてみようかな、少しだけ。
賢ちゃんにとっても、あたしは特別なんだから。
「じゃあ、あたしからのお願い、聞いてくれる?」
「なんだ?」
賢ちゃんは怪訝な顔であたしを見る。
どんな要求が出るのかと構えているのだろう。
……そう、分かってるじゃん。
あたしはただじゃ起きないよ?
「キモいから、感染症の検査して。
女の連絡先は全部消して。
ライブには絶対呼んで。
毎日必ず連絡して。」