俺と結婚しろよ!
あたしの質問に、慎吾さんはご丁寧に答えてくれる。
「あの……バレないんですか?」
「大丈夫。馬鹿過ぎて、バレだことないよ?」
「あたし、どの程度練習したらいいんです?」
「テキトーでいいよ、テキトーで!」
「優弥さんの代役なんて、無理です!」
「優弥じゃないよ。
優弥の代役は蒼がするから、咲良ちゃんは蒼の代役」
どっちにしても無理だぁぁ!
あたしが、蒼さん……碧の代役?
冗談にも程がある!
あたしはあんなにかっこよくないし、ギターも上手くないし、オーラもない。
考えただけでも身体が震える。
「人選ミスじゃ……」
「そんなことないよ?
咲良ちゃんならきっとやってくれる!」
キラキラ瞳の慎吾さんと蒼さんを前に、何も言えなくなってしまった。
こんなことで、急遽あたしのライブ出演が決まった。
すごくすごく無理矢理だけど。
でも……
Fの三人と、だよね?
なんだかすごくドキドキする。
ずっとずっと憧れてきた人たちと、ライブ出来るんだ!