俺と結婚しろよ!





「毎度!ふとももフェチでーす!」




蒼さんが手を上げ、会場が湧く。

さっきの緊張は何だったのだろう。

そして、このお馬鹿バンドを、誰もがカッコイイFだなんて思わないだろう。

だけど、確かにみんな虜にされていた。





「俺たち、カッコイイでしょ?」




蒼さんがペラペラしゃべる。

碧じゃなくて、いつもの蒼さんだ。

ふと、少し離れたところにいる、悠真と大輝が目に留まる。

彼らの目は、点になっていた。




「今日はさぁ、俺、ギターなんだよ。

ゆーちゃんいないから」




蒼さんが言うと、観客が悲鳴をあげる。

そして、



「カッコイイでしょ?」



蒼さんの言葉に、



「カワイイー」



観客が言う。



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