俺と結婚しろよ!
「双方の事務所によりますと、二人は仲のいい友人のようです。
結婚なんて話は聞いていません、とのことです」
キャスターが無機質な声で読み上げ、あたしの心に重く響く。
仲のいい友達……か。
賢ちゃんはそんなことないと言ってくれたけど、実際聞くとやっぱり辛い。
家に呼んでくれて、手を繋いで寝て。
料理もたくさん作ってくれて、結婚しようと言ってくれた。
これでただの友達なら、友達って一体何なんだろう。
……そうだよね。
賢ちゃんは結婚しようと言ってくれたけど、あたしが踏み切れないだけ。
あたしが百パーセント賢ちゃんを信じることが出来たら、きっと問題は解決するのだろう。
ふと、携帯を見た。
賢ちゃんからLINEが来ていた。
ー報道のことは気にするな。
気にするに決まってる。