俺と結婚しろよ!







あたしは中井茜に向き合った。

中井茜は少し気まずそうな顔であたしを見る。




「ごめんなさい……

お節介だとは分かっています。

でも、新沢さんがあとで悲しまないか心配で……」





中井茜の言いたいことは、すごくよく分かった。

中井茜は下心も何もなく、ただあたしを心配してくれたんだ。

そんな中井茜を、あたしはずっと嫌っていた。

駄目な女だ。





一度は賢ちゃんに惚れた中井茜。

彼女の言葉に同調したら良かったのだろう。

だけど……

言わずにはいられなかった。




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