俺と結婚しろよ!




「おい、咲良!すぐに迎えに行く!!」




賢ちゃんはやたら焦っているようで。




「迎えに来ちゃ駄目でしょ?

あたしたち、今会えないんだから」




自分でそう言っておきながら、けっこうへこんだ。




好きなのに、会えない。

電話では、こんなに手の届きそうなところにいるのに。

もどかしいよ。

あたし、賢ちゃんに会いたい。






「そんなん知るか!

俺たち、結婚するんだからいいだろ?」




またまた馬鹿なことを言う賢ちゃんに、



「うん、そうだね」



あたしは頷いていた。







しーん……





急に賢ちゃんとあたしの間に沈黙が舞い降りた。




胸が熱い。

賢ちゃんの声を聞くだけで、すごくすごく好きだと思う。

あたしさ……

賢ちゃんと結婚したい。

ずっと一緒にいたい。




< 425 / 451 >

この作品をシェア

pagetop