俺と結婚しろよ!
「おい、咲良!すぐに迎えに行く!!」
賢ちゃんはやたら焦っているようで。
「迎えに来ちゃ駄目でしょ?
あたしたち、今会えないんだから」
自分でそう言っておきながら、けっこうへこんだ。
好きなのに、会えない。
電話では、こんなに手の届きそうなところにいるのに。
もどかしいよ。
あたし、賢ちゃんに会いたい。
「そんなん知るか!
俺たち、結婚するんだからいいだろ?」
またまた馬鹿なことを言う賢ちゃんに、
「うん、そうだね」
あたしは頷いていた。
しーん……
急に賢ちゃんとあたしの間に沈黙が舞い降りた。
胸が熱い。
賢ちゃんの声を聞くだけで、すごくすごく好きだと思う。
あたしさ……
賢ちゃんと結婚したい。
ずっと一緒にいたい。