俺と結婚しろよ!
賢ちゃんはドラムの側の椅子にどかっと腰掛け、漫画を取り出す。
こいつ、やる気あるのか?
てか、何しにここに来たんだ?
俺の視線に気付き、
「読むか?」
にやりと笑う。
「は?エロ本とかか?」
馬鹿にした俺に、
「ちげーよ。
エロ本とか咲良に殺される。
うちのオタク担当に借りたんだ」
賢ちゃんはそう言って漫画を開き、笑っていた。
賢ちゃんは五つも年上だ。
キャリアも長い。
それなのに、俺がタメ口で話しても、貶しても、何も言わず笑っていた。
あの、クールで絡み辛いFの玄は何なんだろうか。