俺と結婚しろよ!
報道陣のフラッシュを浴び、マンションに入る。
賢ちゃんと身を寄せ合ったまま、エレベーターに乗る。
賢ちゃんの香りがして。
賢ちゃんのことを考えるだけで、胸が痛いほどキュンキュンして。
身体が甘く疼く。
「咲良、いいのか?」
賢ちゃんは尚も心配そうにあたしに言う。
あたしは、賢ちゃんに大きく頷く。
そんなあたしを見て、賢ちゃんは嬉しそうな笑顔を浮かべる。
あたしの大好きな、賢ちゃんの笑顔だ。
「咲良。大切にするから」
「うん」
「咲良との約束、全部守るから」
「うん」
あたし、何を躊躇ってたの?
賢ちゃんは、こんなにもあたしを大切にしてくれる。
「だから、咲良も一つ約束しろ」
「ん?」