俺と結婚しろよ!
「咲良……」
あたしの名を呼ぶ、少し低めのその声。
あたし以外誰も知らない、甘ったるいその声。
胸をくすぐり、夢中にさせる。
視線が絡まり、離せなくなる。
吸い寄せられたように顔が近付き……
唇が微かに触れた。
「咲良」
賢ちゃんは静かにあたしを呼ぶ。
「大好きだ」
今まで我慢してきたものを吐き出すように、唇を重ねた。
甘くて優しいキス。
心の奥まで溶かしてしまうようなキスだった。
欲望に支配され、少しずつ激しくなっていく。
賢ちゃんにぎゅっとしがみつき、身を任せた。
「大好きだ、咲良」