俺と結婚しろよ!
新たな賢ちゃん、発見。
この日、あたしたちは久しぶりに居酒屋で盛り上がった。
たくさんお酒を飲んで、笑って、そして話をした。
「テレビ出演なんて、すごいね俺たち」
酔っ払って上機嫌の大輝。
一方、
「玄か……チクショー、玄か!!」
なぜか玄をライバル視している悠真。
全く話がかみ合わない。
そしてあたしも、黙ってFのことを考えていた。
本当は、今日の出来事をみんなにも言いたい。
だけど、優弥さんと約束したから。
Fの楽屋での様子は、口外しないと。
……そうだ。
賢ちゃんに携帯の番号教えたよね。
でも、あれから音沙汰もない。
打ち上げに呼んでくれるなんて言っていたのに。
やっぱり、あたしなんてどうでもいいんだろう。
結婚するとか、出過ぎた嘘を言っていたんだな。
分かっているのに少し悲しかった。