俺と結婚しろよ!
そんな玄だから……
「万が一あたしのことを覚えていても、関わろうとしないだろうな」
あたしはぼやいていた。
そうなのだ、きっとあたしたちみたいな低級バンドなんて、彼の目にも入らないのだ。
なんだか残念だ。
あんなに優しくて面白いお兄ちゃんだったのに。
「まぁ、そうかもしれないな」
悠真は静かに呟く。
「でも!咲良には俺がいるぜ!」
「だよね、悠真!!さすが親友!」
あたしは笑顔で笑っていた。
いいんだ、今はFに相手にされなくても。
いつか絶対ビッグになってやる!!
この時のあたしは、思いもしなかったんだ。
このあと、あたしの運命がガラッと変わることを。