俺と結婚しろよ！

「!?」



はっと我に返るあたし。



ヤバい！

こんなところで賢ちゃんとぬくぬくしている暇はないんだ!!





あたしは見事なスライディングで携帯を手に取る。

そして、スライディングの態勢のままで、電話に出た。




「はい……」



そう言うなり、



「咲良ちゃん!!どこにいるの？」



村木さんのキンキン声が聞こえてくる。

耳が潰されそうだ。





まずい、やっぱり村木さんだ。

どこにいるって言ったらいいの？





「早く答えて！

すぐ迎えに行くから！」




迎えに来られたら困るんだよ。

だって、あたしは今、賢ちゃんの家にいるんだから！