私、先生と付き合ってます。
翌朝ーいつもより数分早く家を出た。

実は、今日は私にとって最高の日、ドクターストップ解禁の日!

久しぶりに剣道が出来ることを楽しみにしていた。

学校に着いて、道場に向かった。

ドアを開けるとすでに相田主将が…!

「おっはよー」と相田主将はいつもの数倍テンション高めで両手を広げた。

私も何となく嬉しくて、すぐに先輩の腕の中に収まってしまった。

「解禁日だね~」と思いきり抱き締められた。

「はい!」と返事すると、「ほら、早く着替えてきて!!」と相田主将は言った。

けど…私を抱き締めたままの相田主将。

「主将、着替えに行けません!!」と言うと、「あーゴメン!嬉しくて。力入りすぎた…」と主将は言って、手を離してくれた。

私は急いで着替えに行った。

着替えて戻ると、珍しく朝から先生がいる。

「…先生!?」と私が驚けば、「解禁おめでとう!存分に気張ってくれ…」と優しく頭を撫でられた。

私は顔を赤くしながら、はいと小さく返事した。

「ちっ、いちゃつきやがって…」と相田主将は言う。

「んだと…?お前は毎日朝から二人きりでハグしてから練習してるくせによ…」と先生は少し拗ねるように言う。

「あーバレてたんすか?」と相田主将、

「当たり前だ。まぁ…戸惑いながらお前の腕の中に収まってる三咲も可愛いんだけどな」と先生は言った。

ズルい…そんなの。

私だけが真っ赤になってる。

「てか、ほら、練習すんだろ?さっさと始めろよ…」と先生は顔を赤らめて言った。

私と相田主将は組み合う。

久しぶりだが、体は訛っていないようで…意外にもいい感じだった。

一試合終えて、相田主将にまた抱き締められた。

もうこの人のクセ…と諦めてる自分がいる。

けど…いつもと違うのは…先生がいて、それを見てるってこと…。

完敗というよな先生の笑顔に複雑な気持ちになる。

「健斗が卒業したら…ヤバイよな…色んな意味で…」とボソッと呟く先生はどことなく寂しそう。

「あら、司ちゃん?いきなりどしたの?もしかして司ちゃん俺のこと好き?」と相田主将が言う。

「当たり前だ!主将としてもプレイヤーとしても男としても、人間としても…羨ましいし大好きだ!それは多分三咲より俺の方が…」と先生が真面目に言うもんだから私、少し拗ねるように

「私より…?相田主将のこと好きなんですか…?」と言ってしまった。

「…ちがっ…そうじゃなくて…三咲が健斗を好きな以上に俺が健斗を好きだって言ってんだ」と慌てながら弁解する先生。

なんすかそれ!?めっちゃ複雑なんですけど!

「やーん司ちゃんありがと。俺も司ちゃん大好き!」と相田主将は言うと、先生に抱きついて、ギューってした。

照れてる先生。

そんな二人に思わず妬きそうになる…。

私は何となく舌打ちをして更衣室に向かおうとした。

のに…いきなり後ろから抱き締められた。

「…ゴメン…」って。

先生のタバコと石鹸の香りが私を包む。

朝からそれだけでクラッときそうになる。

「だからーイチャつくなって~」と相田主将は言ってるけど…怒ってないのはわかってる。

「私、着替えてきます…」と先生を振り払って私は更衣室に向かった。

そう、朝は時間があまりないので朝練はホントにバタバタしている。

着替えを終えた私、相田主将はすでに着替えを終えて待っていてくれた。

早くいこーって。

私たちは道場を出てそれぞれの教室に向かった。

チャイムが鳴って、HRが始まった。

「来週、期末テストだからな~」と先生は言った。

嘘?もうそんな時期…。

なんか嫌だな…。私は特進でトップで入ってる…。プレッシャーと圧が重くのし掛かる。

うちの学校は、テストは年三回。

中間はなく期末テストのみ。

けど…期末テストは英語、理科、生物、数学、古典、現国、世界史、日本史、地理の九教科。

どうしよう。不安だ…

一番不安なのはやっぱり理科。生物ならまだマシだけど…。

大丈夫かな?赤点だったらどーしよ…。

プライドもあるし、誰にも相談出来ず一人苦しんでいる。

ましてや先生の授業なのに…。

「…どしたの?三咲…」といきなり声をかけられてふと、我に返った。

あー。飛鳥かぁ…ビックリした…。

「なに飛鳥?」と私が聞けば、「かなり険しい顔してたけど…テストのこと?」と飛鳥は言ってきた。

うっ、さすが幼馴染み。鋭いな~

「まぁね~」と私は言葉を濁して笑うだけ。

飛鳥はそれ以上聞いてこなかった。

けど…ほんとは気づいてるはず…。

「…三咲、せっかく復帰?したのに残念だね~。しばらくはテスト期間だからまたお休みだね…」と飛鳥に言われた。

そうだったー忘れてたけど…テスト期間ということは部活休みじゃん…。

どーしよう。余計悪い点数取れない…。

けど、お母さんもお父さんも知ってる。私が赤点を取ったとしても何も言わないことを。

だって真面目にしてるもん!!言われたことないし…。

気持ち楽にいこ…。

前に先輩に聞いたことがある。特進クラスの赤点は45が基準だって…。

まぁ多分…そんなに悪くは無いはず…けど、70取れたらいい方。


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