私、先生と付き合ってます。
「えー、豊田 司、23歳。お前らの担任をする。担当教科は…理科だ。後は…剣道部の顧問をしている。よろしくー」と先生は言った。

ー豊田 司 この男が私の担任…。

これが私と先生のファーストコンタクトだった。

授業らしいものはなく、生徒達の自己紹介があった。

一番の私が適当に挨拶すると、周りは続いて挨拶した。

そして、校内を回るため、教室をほとんどの子が出ていった。

残っているのは…私を入れて四人。

私の幼馴染みの木藤 飛鳥と 横の席の川崎刀伍君。そして…もう一人、 不知火詠斗君だ。

この男子二人は机に突っ伏して寝ている。

飛鳥は私を見ている。けど…気づかないフリをした。

「お前ら…構内くらい回ってこいよー」と先生は言った。

そして何とか起きて立ち上がった男子二人はフラフラ~と教室を出ていった。

この日、この時間は上級生達の必死な部活勧誘が行われていた。

「飛鳥…いかないの?」と私が聞けば、

「三咲もいかないんでしょ?」と返された。

うっ、何も返事できない…。

「部活やってるし…見学でもしてきたら?」と先生に言われて、飛鳥は、悩みながらも教室を出ていった。

「で、何でキミはいかない?」と先生が聞く。

「私は別に、興味ないですから。他部活からの勧誘ってダルいし…。校内もほとんど把握してますからね!」と私は言った。

「ふーん。俺と二人でこの教室に残る気?中々いい度胸してるね!」と先生は笑った。

「先生こそ…誰もいなくなった教室で一人何するつもりですか?」と私が聞けば、

「いい性格だな」と笑われた。

質問答えろよ!

声に出したつもりはなかったんだけど…

「なら、挨拶がてら、一緒に剣道部の道場いくか?」と言われてしまった。

ここで行きたい!!と言えば、狙ってたかのように思われそうで…何となく行きたいとは言いづらい。

先生が近づいてくる。

かなり距離が近くなり、心臓は早く波打つ。

「おいで?」と先生に言われて…私は負けるように頷いてしまう。

カッコいいし、その笑顔はズルい。

反則だよ…先生…。

「先生、イケメン…」と私は呟いていた。

「ありがとう。知ってるよ」なんて…何よ、それ…。

ちょっとムカツク!!

私は先生に連れられて、教室を後にした。

何となく、横は歩きづらくて…後ろを歩いた。

しばらくあるいて…道場についた。

中に入ると、威勢のいい声が響いていた。
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