私、先生と付き合ってます。
五、六限の授業も無事終わり、私は理科準備室に向かった。

ドアをノックする。ーコンコンー

中から返事があって…私は中に入った。

先生は特に何も言うわけでもなく、難しい顔をしていた。

「先生?」と私が言うと、いきなり抱き締められた。

そして、先生は、私とのことに不安を感じてることや、いろんなことを話してくれた。

胸が熱くなった。締め付けられるような苦しみ。

けど…先生は本気で私のことを好きでいてくれてる…。

その思いには答えたいと心から思った。

私は両親に話す決断をして、理科準備室を出た。

にやけそうになる顔を必死に抑え、道場に向かった。

道場に着くと、相田主将や皆はすでに練習していて、「遅かったねー」とか言われたので、「先生のとこ行ってましたー」と笑ってごまかした。

相田主将だけは笑ってない鋭い目付きで見てくるが…ウィンクしてみた。

そしたら相田主将はそれで何かを汲み取ったのか?深くは聞かず、「さっさと着替えてこい」とだけ言った。

私はすぐに着替えた。

そして、皆の練習に混ざった。

初夏のじめじめとした暑さは少し動いただけで体力を奪う。

道場は皆の熱で、二、三度は上がっているように感じられた。

入り交じる汗の臭い…。まさに男子臭と言ったところだろうか、少し息苦しくなりそうだ。

それでも皆爽やかで。皆カッコいい。

練習そっちのけで見惚れてたりする自分がいる。

それが恥ずかしくなって、一人、顔を赤らめる。

私は先輩らに声をかけてもらい、相手することになった。

緊迫の空気感はない。それでもお互いに向かい合うと、オーラを感じた。

相田主将のおかげで格段に強くなってる皆と戦えること、私は嬉しくてたまらなかった。

練習を終えて皆は帰り支度をしている。

私はいつものように掃除用具を出した。

そしたら、相田主将が珍しく手伝ってくれるって…。

二人で掃除しながら、先生と理科準備室で何があったのかを話した。

私の決意と共に…。そっかと笑って優しく頭を撫でてくれる相田主将。

どこか寂しそうな気もした。けど…そんなこと聞ける勇気はない…。

「一緒に帰ろ?送るから…」と笑われてはいと大きく頷いた。

そして、私は相田主将に送ってもらい、家に帰った。
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