私、先生と付き合ってます。
「俺か?俺はあんまり無いんだけど…」と先生は言う。

なにそれ、ずるくない?自分だけ…

私は覚悟を決めた。先生がそんなこと言うならこの話、してやる!!

「私だけ言うの?結構な黒歴史だよ?」なんて言ってみる。

ほんとは私に黒歴史なんて一つもない。

私は純白、真っ白なんだ!

「…」先生黙っちゃった…。えっ、まさか真に受けてる…なんてことないよね?

「…いい。聞かなくて…やめよう!楽しくなくなる」と先生は言って話を打ち切った。

ホントに聞きたくないからやめるの?

それとも他に理由があるのか?

まぁ、先生やめよう言ってるしいっか。

「…センセ、私の初恋の人先生じゃなかった話聞きますか?」と私が嫌みっぽく言ってみた。

「…」先生はまた無言になった。

「おいおい、やめとけよ。それ以上言うの…」と相田主将は言った。

「えーなにそれ、私、それ聞きたいー」とマネージャーは言い出した。

「…言ってもいいんですか?その話」と聞く私、

「俺も興味あるけど…司ちゃん可愛そうじゃね?」と相田主将は言った。

そうだよね…。ましてここには本人がいるわけだし、その隣には彼女もいるわけだから…やっぱり言いにくいかな?

けど、言ってもいいのかな?

「…言ってもいいよ?俺も大人なんだからそれなりに対応はする」って先生は言った。

いや、ムリでしょ!一番子供っぽいのあなたですよ!

心の中でそうツッコんでみる。

「紳士に対応?出きるわけねぇーじゃん!!司ちゃん。もっと自覚しなよ!自分子どもっぽくて、大人げないって…」と相田主将は言った。

えっ、何でそんなこと言えんのよー私無理。

そんなこと先生に言えない。

けど、相田主将と先生ってホントに仲良くて…そんなこと言い合える仲なんだ…。

ホントに羨ましい…。

「聞いて後悔しないなら言いますけど…」と私が言えば、「言えよ!」と少しキレ気味に言ってくる。

ほら、言う前からすでにちょっと嫌ーなオーラ出してるじゃん!!

「だって言ってるし…言ってよ!」とマネージャーが乗っけてくる。

私は相田主将の顔を見ると、目を輝かせてはいるけど…首を縦にはふらない。

こーゆうところは相田主将らしいんだよな。

「…私の初恋の人は…相田主将でした」と私が言えば、「やっぱり!」とマネージャーはどこか嬉しそう。

「いつの話?高校入ってからじゃねぇよな?」と相田主将は言ってきた。

「中学の時…初めて道場でお逢いしたとき、ほとんど一目惚れでした。私、かっこいいなぁ~って思ってました。それに、先輩言ってくれたでしょう?私と戦っていたいって。それが嬉しくて…頑張ってたのよ!けど、すぐいなくなった。ここ来てあなたがいてびっくりしたんです!!別人なってたし…」と私が言えば、

「俺もだよ!チャラキャラ築いてきた俺なのに…辞めずに続けてるのって剣道だけで、三咲ちゃんとの約束忘れられなくて…俺頑張ってる!!三咲ちゃんに見ててほしくて、追い付きたくて、だからこれからも、俺のこと見守ってて」と相田主将は言った。

マネージャーは拍手しながら聞いている。

ってやっぱり天然で寛大な人だわ。

それに比べて先生は…舌打ちしながら貧乏ゆすりしてる。

はあぁ、やっぱりこうなるよね…。

「マネージャーは嫌じゃないですか?こんなこと聞いて…」と私が言うと、

「何で?私そんな気がしたの。知り合いだってわかったときの嬉しそうな顔、忘れられないもの」とマネージャーは言った。

「あは、バレてた!?」と舌を出して笑う相田主将。

「それでも私を選んでくれたんでしょ?だから今までのことも、これからの二人の関係もおおめに見ることにするから。だからってイチャイチャしないでよ?気分はあまり良くないからね~。けど、ホント、相田君は三咲ちゃんに出逢って変わったなぁ~って思ってたから」とマネージャーは言った。

なんて、優しいお言葉…。

私は嬉しすぎて涙が溢れそうになった。

先生はさらに舌打ち。

けど、運転はちゃんと丁寧にしてくれている。

「司ちゃんさぁ、かなり動揺してるし、機嫌悪いのに…運転丁寧だよね?揺れないし、スピードも出してない」と相田主将は言った。

「当たり前だ。そんなとこ影響したらまずいだろ!これでも教師なんだ。三人もの生徒乗せてんのにヘタな運転なんて出きるかよ!」と先生は言った。

やっぱりこーゆうとこ大好き!!カッコいい。私は思わず先生に見惚れた。

「変なとこ、責任感強いよね…」とマネージャーが言うと、

「お前が言うな!」と先生はツッコむ。

「司ちゃん、三咲ちゃんのこと好きすぎるよね」と相田主将が言うと、先生は顔を真っ赤にして…

「だったらなんだよー!」と叫んだ。

嬉しすぎて思わず抱きつきそうになる感情を抑えるけど…思わずにやけてしまった。

「…センセ、ありがとう。私も先生のこと大好きだからね!!」と私は言った。

「ああ」と一言いった先生。

けど、嬉しさがにじみ出てる。その事が嬉しい。

「で、次何しようか?」と先生は話題を変えるように言った。
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