私、先生と付き合ってます。
皆はそれぞれ、提出しに教室を出ていくー

私はもちろん、教室にいる。だって顧問に渡したんだから。

ってまた二人だなぁ~。なんか緊張する…。

「また二人だね!」なんて昨日とは違う態度の先生に、「何ですか?」と聞いてみる。

「チャラいけど、アイツがウチのクラブのトップなんだ。悪いな。他のやつらも経験値が浅い。アイツでさえ、まだ5年ほどだ」と先生は言った。

そうなんだ…。けど、あの人、わずか5年であの実力ならかなりの腕前…。

「頑張ります…」と私は小さくいった。

「ムリはしなくていい。けど、覚悟はしとけ。アイツは鬼だ。練習だけは何があっても手を抜かない…」と先生は言った。

「はい。今朝、からかわれました。最初から朝練来ないつもりか?って…」と私が言うと、

「気にすんな。アイツは…嬉しいんだよ。キミみたいな強い子と戦えるの…。まだ入部してませんから!!って言ってやれば良かったかな?俺に突っかかれるんだからアイツにもいけるだろ?自分の意思を通して?」と微笑んだ先生は私の頭をポンポンした。

なんだろう…この感じたことない気持ちは…。

「明日からは授業も始まるから…ヨロシクな?」と先生は言うと、教室を出ていってしまった。

ついに私は教室に一人取り残された。

どーすればいいんだろう…。

ふと、廊下の方をみれば、男子が立っていることに気がついた…。

…あの人…あっ、剣道部の…

私は軽く会釈をして、彼のところに言った。

「姫、お迎えにあがりました」と言ってくるこの男子は…剣道部の先輩。

って…何で私が姫!?意味わからない…。

「主将がね、連れてくるように言ってたから…。正式な入部は今日からでしょう?ご挨拶あるから…来て」と男子は言うと、去っていった。

そして私は道場に向かうことになった。

道場に着くと、皆勢揃いして、待っててくれた。

「遅いよー綾小路さん」と相田主将は言った。
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