とある犯罪者たちの雑談
まぁ、そんな順調な付き合いをしていたボクたちなんですが、事件が起きまして。
事件ってオーバーに言ってるんじゃないですよ?
本当に、彼女の勤めていたコンビニに強盗が入ったんです。
そう、わざわざコンビニを狙うんですよ?
そんな中途半端なところじゃなくて銀行とか大きなところを狙ってくれたらよかったのに。
……お兄さん?
嫌そうな顔をしてますが、どうかしましたか?
この話……やめた方がいいですか?
平気ですか、そうですか。
ならいいんですけど……。
えっと、それでどこまで話したんだったかな……。
あ、そうそう、強盗が入ったところまででしたね。
その強盗が入った時、偶然ボクも店にいたんですよ。
相手は男のふたり組でした。
ボクは……恥ずかしながらトイレを借りていたタイミングだったので、気づいていなかったんでしょうね。
強盗はレジにいた彼女と彼女の友人にナイフを向けて「金を出せ!」なんて言いました。
そっとトイレから出て覗いてみると、……荒っぽい仕草や声、向けられた凶器。
可哀想に彼女は震えていましたよ。
当然ですよね、彼女が辛い思いやこわい思いをしないように、ボクが全力で守ってきていたんですから、彼女は耐性がないんです。