とある犯罪者たちの雑談
それで、ボクが酒瓶を振り回している時に、もうひとりの男ともみあったみたいで、友人にナイフが深く刺さってしまったようです。
結局のところ、友人とボクが斬りかかった男は死にました。
もうひとりの男ですか?
ボクが視線をやると、すぐに逃げ出しましたよ。
顔をどんなふうだったか?
相手は無防備にも隠していなかったんですが、怒りのせいですね。
よく覚えていません。
本当はその男もどうにかしてやりたかったのですが、彼女が怯え切っていたのです。
突然の衝撃的な展開に心がついて行けていなかったようです。
そんな彼女を置いて行けるはずもなく、ボクはその場に残り、警察を待ちました。
これがボクの犯したことです。
え?
意外とまともなヤンデレ?
はぁ、なんでもないですか。
ふーん……まぁいいです。
そういうことにしておきます。
そういえば、それなら刑務所に入らなくてよかったんじゃないかって?
ああ、それはですね、一応死んだあとも殴り続けていたので過剰防衛になるみたいです。
やっぱり人を殺してしまうとねぇ……。
あとは失礼なことに彼女のストーカーだと。
ひどいですよね?
ボクと彼女はただ愛し合い、想い合っているだけだったというのに。