Blood honey



「発作は元からあったんすけど、最近は酷くて…。
最悪な時は一分くらい視力が戻らないんです。」



「ふーむ……
お前その能力、生まれつきだっけ?」


私達が持つ能力は目覚めるパターンが2つある。
一つは生まれつき。
二つ目は物凄いショックを受けた時。
ちなみに私は前者だ。



「…生まれつきじゃないっすね。
まぁとにかく、本気でヤバくなったら自分から救護班に行きますから。」



「…わかった、無理はするな。」


幼い頃は恐ろしかったこの能力も今となっては無くてはならない物になっていた。

その気持ちは目覚めのパターンが違おうが変わらないだろう。
きっとマリアを、仲間を護る為にカナメにとって無くてはならない物のはずだ。



「……さて、私も仕事するかね。」



私にあの声はもう聞こえない。
まるで私を蔑視するようなあの忌々しい声は。



キミナンカイラナイ

コノ穢レタ小娘メ

近寄ルナ、ソノ銀髪ハナンナンダ

気持チ悪イ、触ラナイデ


死ンデシマエ、オ前ナンカ



―――――――――




「ふー…
雑魚が100人ねぇ。」


「ぅ…」

「……っ」


コイツらホントに雑魚?
結構危なかったんですけど。



「ギルリアの奴間違えたんじゃ………」



《―――気を抜くなよ~!雑魚でも油断大敵だぞ。》

行く前に言われた言葉を思い出し、理解した。




「あの野郎…。
業とか…。」


私が最近気を抜いてるのを知ってて渡したな…

クソ、お陰で腕に食らっちゃったぞコノヤロウ。




「シルビアー!!」



「Σな、悠なんで!?」


林の方から走って出てくる悠。
まさかこれもギルリアか…!?




「ハァッ、…ハァハァ……ハァッハァッ…
お前速いな!!」



「第一声がそれか…ι
てかいつから…?」


「最初から着いてきてたのによー!
お前が途中で瞬間移動しやがるからよー!!
速いんだよバカヤロー!」

……………知るか。




「最初から着いてきてたのにこの遅さ…ι
……ハァ…
仕方ないから帰りながら走り方教えてあげる。」



「マジ!?やった!
帰ろ帰ろ!!」




―――――――




「………何これ?」


基地に帰ると待っていたのはギルリアと任務3つ。

右からB、B、Cだ。
あ、ちなみに走り方は教えましたよ?

かなり遅くてキレたけど。



「何これって、任務。」


「見りゃわかりますよ。
今行ってきたばかりなんですけど?」



あ、そうだ
さっきの雑魚じゃないだろアンタ。あれ絶対Aランク任務だって。
そう言ってギルリアに紅楓を振り降ろす。


※紅楓はシルビアの愛刀。



「Σいったー(泣)
ちょ、痛いんですけど!?
何気に今半分本気出したね!?」


「痛い訳ないでしょう?ギルリアさん心読使えるんですから。今急所外しましたもんね。」


ゴゴゴゴゴ!!と最早喧嘩腰。




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