Blood honey
「私は林檎飴行きたいな…」
「俺、射的~☆」
「あの白くてふわふわな奴…♪」
「あたしは勿論スエルバ隊長と金魚すくいーvvV」
「Σいやだーーー(泣)」
「………なんつー自己中な組織だよ。」
余りの皆の勝手さにギルリアがボソッと突っ込んだ。
「じゃバラバラに別れて一時間後に此処集合で!
んじゃ解散。」
そして隊長の言葉と共に首根っこを掴まれ、カナメ隊長夫婦と行動を共にする事に。
「苦しいんですけど、隊長。」
「ほら、シルビアちゃんが可哀想よリズ。」
そう言ってやっとの事で降ろされた私は現在、この美形夫婦の真ん中。
確実に私がアウェイ。
「なんかこうしてるとシルビアちゃん、私達の娘みたいね。」
「娘みたいなもんだろ?
だったら呼び捨てでいんじゃね?」
俺も呼び捨てにしてるし。とカナメ隊長が言う。
「Σえ、いいの?呼び捨てで?///」
「はい、勿論!」
照れるマリアさん可愛いなと思いながら、大好きな大先輩に名前で呼ばれる事に嬉しさを感じる。
「じゃ、シルビア行こっか?」
「はい、マリアさん!」
後ろから置いてくなよー!とカナメ隊長の声がするが、やだーっ!と言って逃げる。
「あ!あれ可愛いvvV
ね、シルビア!」
「あ!本当ですね、射的かぁ…」
射的の台に熊のぬいぐるみを発見し、いいなー、と言うマリア。
「俺に任せろって。
あの熊だろ?」
「うん!」
自信満々に任せろと言って銃を構えるカナメ隊長の姿は、やはり赤目のスナイパーだなと関心する。
――――パ、パンッ!
「すげえな、兄ちゃん!
一発で当てる人なんてそうそういねぇのに。」
「や、そうでもないっすよ!
射的好きなんで!」
ニコニコと笑うカナメ隊長の手には熊のぬいぐるみと兎のぬいぐるみが抱かれていた。
「ほら、熊と兎!」
「わぁ…♪
ありがとう!リズvvV」
「いいんですか?
ありがとうございます!」
熊はマリアさんに、兎は私に渡された。
「いーんだよ!
シルビアは兎みてーだからな!」
「……そうですか?」
うーん、やはり可愛い。
と兎を眺めていると、熊を貰ったはずなのに不機嫌なマリアさんを発見(笑)
「……マリアさん?」
「Σえ、あ!
なぁに?シルビア。」
マリアさんの目先には先程の射的でカナメ隊長にハートを射ぬかれた女が数名。
やはり面白く無いものなんだろう、自分の相手がモテると言うのは。
「……大丈夫です、カナメ隊長はあんな女達の所には行きませんよ。」
「…え、」
「ちゃらんぽらんに見えるけど、根は優しくて頼れる隊長です。
それにマリアさんを泣かしたら私が殴ってやりますから。」
そう言って笑えば、マリアさんも、そうね、ありがとう。と呟いた。
「マリア、林檎飴と綿飴買って集合場所に戻ろう!」
「うん!」
思った通り、囲んでいた女数名を退けてマリアさんを呼んだ。
「ほら、お前も行くぞシルビア!」
「…はい!」
普通の人にはわからないだろう
必要として貰える事の凄さ
存在してもいいのだと知った時の嬉しさ
手を繋いで笑い掛けて貰える素晴らしさを
貴方が、貴女が、
いたから
今の私が居るんです