Blood honey
「うはーっ!
でけえ、熊と兎!」
「煩いです、ギルリアさん。」
集合場所に戻ると、皆もう集まっていた。
私の兎とマリアさんの熊を見て、一番にギルリアさんがちょっかいを出し始めた。
「……マリアとシルビアに射的才能は無いはずだし、
……はっはーん?さては愛しのカナメ君から貰ったなぁ、マリア。」
「…うん、///」
あー、だから射的の方で女が煩かったのかー!
と叫んだギルリアさん。
「茶化すなよ、ギルリア。」
「うっさい、この色男め。」
キーッ!と言って殴り掛かるギルリアさん。
「ほらほら、皆集まったんだし、帰るぞー。」
「あ、いや…
俺ら買い物しながら帰るからいーよ。
シルビアは先戻ってな。」
グラジオラス隊長がギルリアさんを引きずりながら帰ると言うが、カナメ隊長とマリアさんは買い物してから、と別のルートを行った。
―――――――
「よし、こんなもんか?」
「うん、いいんじゃない?
………でも、ちょっと早いんじゃないかしら…。」
「んな事ねえよ。
早くて悪いワケねーって。」
皆と別れた二人が来たのは赤ちゃんショップ。
「だって…まだ2ヶ月くらいなのに。」
「いーんだよ、まだ"カナタ"か、"マリカ"かわかんねーけど。」
「リズは気が早いのよ、フフッ。
名前まで決めちゃってるんだもんね。」
待ち遠しいんだよーと拗ねるカナメ。
「私はカナタの方がいいかな…」
「…?何で?」
「……だってマリカじゃ、リズが取られちゃうから…」
マリアがそう言うとカナメは可愛いなー!と抱き締める。
「って、あ!もうこんな時間、早く帰らないと!」
「そーだな、よし行くか。」
―――――――
「……ι急ぐからってこんな道通らなくても…ι」
「まぁへーきだって!」
赤ちゃんショップを出た後、カナメが急ぐからと近くの山の中を通っていた。
夜なのもあって、不気味さは増倍しマリアはカナメにぴったりと身をくっ付けている。
「…てゆーか反対にそんな密着されっと……///
…!…マリア、俺から離れるな。」
「……え、」
そう言った瞬間、カナメはマリアを抱いて物凄い勢いで走る。