Blood honey
―――ガサガサッ…!
「…!…囲まれてる…!?
一体何時から…」
「…全部で30人、くらいか…?
たぶんショップを出た後だろうな。」
まずいな、俺は今軽くしか武器持ってねえし、かといてマリアは闘えねえ。
撒こうとしたが、相手もかなり手慣れしているらしく、撒けない。
―――ガサガサッ…
「敵のお出ましか…ι
……!!…てめえ…」
「…!あれは……
"凪風"!?」
姿を現わした敵は同じ暗殺業者で組織的にはライバルの隊長、通称「真空の凪風」。
「覚えてくれてたのか、光栄だねえ…赤目のスナイパーさんよ。
…そっちの女は、白華の浮羽か?」
「……バレてんのか、
つー事は、仕事帰りにバッタリってワケじゃなさそうだ?」
30人もの部下と、結構な武装。
俺らの暗殺が目的か、と冷や汗を流しながら言うカナメ。
「流石、赤目は鋭いね。
そう、目的は赤目…お前だけだが、せっかく見つけたんだ。
白華も一緒に葬ってやる。」
「…!!…リズ…、」
「させねえよ、マリアには指一本触れさせねえ!!」
その言葉を合図に二人は動き出した。
「ッ失せろ!!」
―――ズバババババッ!!
「グァッ!?」
「ウゥッ!!」
「ギャアッ!」
「アグゥッ!!」
カナメは暗剣で、次々と凪風の部下を倒す。
そして、残ったのは凪風だけとなった。
「…ヒューッ、やるね。
流石巷で有名なだけある。
だが、俺は強ぇ。
眼帯外せ…じゃねーと、
死ぬぜ?」
「ヘッ、やだね。
お前みてーなカスに眼帯外すまでもねえさ。」
そして刃が交じる。
「…まァお前が見せなくても、俺はやらせて貰うぜ?」
「勝手にしやがれ。」
――ヒュンッ、ピッ!
刃がかすった訳でもないのにカナメの頬が切れた。