Blood honey
「マリアは仲間を見捨てる様な奴じゃない。
辛いのはわかるが、冷静になれ、イヴ。」
「…わかる…?
勝手な事言うなよ、わかるわけないだろ!?
あたしは兄ちゃんを殺されたんだぞ!?」
余りに冷静になれないイヴにお手上げのグラジオラスは、ギルリアに助けを求めた。
「………助ける必要はねーだろ。
あれはアイツらの問題だ。」
「Σえええ!?マジで!?」
なんだか素っ気ないギルリアを揺さぶるグラジオラス。
「ごめんなさい、確かに私のせいよ。
リズが死んだのは。
助けようと思えば出来た。」
「やっぱ見捨てたんじゃねーか!!
この裏切り者!魔性の女!!
兄ちゃんの名前を軽々しく呼ぶな!!」
「……でもそれはリズの望みであり、この子を護る為だから。」
そう言って愛しそうにお腹を撫でるマリアさん。
「……それが理由か、
成る程、カナメらしいじゃねーか。つーかまさか妊娠してたとはな。」
「…ギルリアさん、
貴女にも謝らなければいけませんよね。
ごめんなさい。」
「……?どういう事…?」
イヴに謝るのはわかるけど何故ギルリアに…?と感じたシルビア。
「あれ…言ってないんですか…?
ギルリアさんはね、リズが好きだったのよ。」
「バカマリアが…
余計な事言うんじゃねえよ。」
しかめっ面をしながらも頬を軽く染める、ギルリアを見て、Σえええええーー!?とみんなで叫んだ。
「別に謝んなくていい。
色恋沙汰で負けただけの話さ。
カナメがお前を選ぶならあたしは文句は言わねえよ。」
「…ありがとうございます、ギルリアさん。
ほんと、カッコいいですよね…羨ましいです、
立場が違っていたら、私はきっとそんな事言えなかったです。」
「……カッコいい…か…、
あたしは、お前が羨ましかったよマリア。」
悲しそうな顔をして笑うギルリアさんにマリアさんは、ありがとうございますと一言言った。