Blood honey
「あたしは許さないからな。
例え兄ちゃんが望んだ事だとしても!」
「……うん、ごめんなさい。許して貰えると思ってない、ただ一つだけ言わせて?
どんなに恨まれても、イヴちゃんは私の可愛い義妹だから。」
イヴはその言葉を聞いて泣きながら出ていった。
「……凄いブラコンなんですね、イヴ。」
「当たり前だよ、シルビア。イヴにとってカナメ兄は世界にたった1人のお兄ちゃんなんだから。」
そう言うソルディアにシルビアは蹴りを喰らわせた。
「…ι痛いって。
何するのさ…」
「お前、世話役拒否ったんだって…?(怒」
あ、バレた?と笑うソルディアに山程の書類を渡して、マリアさんの元へ行った。
「……マリアさん…
お腹、大丈夫なんですか…?」
「うん、平気。
でも流石に任務は出来ないから、組織抜けるつもりなんだ。」
ごめんね、と悲しそうに笑うマリアさんを見て私は胸が苦しくなった。
「マリア抜けるの?」
「ヤダヤダ、抜けないでマリア。マリア優しいから好き。」
可愛い声がしたと思って下を見れば双子の海音と鵜音隊長がいた。
我が組織初の双子の隊長。鴉天治 海音(アテンジ ミオン)
水の攻撃を得意とする。
鴉天治 鵜音(アテンジ ウオン)
風の攻撃を得意とする。
「海音も鵜音もマリア好きー!だから抜けないでー。」
「抜けないでー。」
「海音隊長、鵜音隊長…。」
双子独特の話方に愛しさを感じるも、どう納得させようかと悩むシルビア。
「海音隊長、鵜音隊長。
私は此所を抜けても貴女方の味方です。仲間です。
嫌いになったから抜けるんじゃありません。
私の…この子を育てる為に抜けるのです。
わかってくれますか?」
「…うん、
…ほんとはヤダよ。」
「でもね、マリアの言う事だから聞く!」
マリアさんの必死な思いは隊長方に届いた様で、我慢するーと同時に言う隊長達。
「じゃあ、総隊長に聞いてくるわね。」
「あ、はいっ!
行ってらっしゃいマリアさん!」
それが私の見た最後のマリアさんの姿だった。