貴方に恋をしました。

〜夏目琉歌〜


んッ?ここは…どこ?

「ここは病院だよ。」

その声は…

「せん…せ?」

目を開けた。

先生「そうだよ。琉歌ちゃん…。落ち着いて聞いてね。」

あれ?そう言えば安道は?

「あ、はい。」

先生「安道君はまだ意識が回復してないんだ。頭を強くぶつけたから。夏目ちゃんもまだ胸が苦しい状態?」

安道が…?わ、私!安道…。

手の震えがでてきた。

「あ、安道が…?い、いや。死んじゃやだよぉ…。せん…せ。大丈夫なんですか?!!」

先生「落ち着いて夏目ちゃん、まだ亡くなってはないから。行く?」

「そ、そうですか…。行かせてください。」

取り敢えず、行ってみよう。

203室
安道朔夜

先生「ここだよ。それでは僕は…。何かあったらナースコールだよ。夏目ちゃん。」

「はい。ありがとう御座いました」

深くお辞儀をした。

コンコン

「失礼します。」

スースースー

頭には包帯が巻いてある。

「ありがとう。安道助けてくれて。私、安道に何にもしてあげてないよ。」

涙が溢れて止まらなくなった。

起きてよ…。

「安道…。起きてよ。」 

起きて一緒に話そうよ。

「安道!!ねぇ、安道!」

なんで…起きてくれないの?!

「つっ……朔夜!!」

ピック

「さ、朔夜?!」

朔夜「りゅ…うか…ちゃ…ん?」

「そうだよ!そうだよ。」

朔夜「涙そんなに出てどうしたの?俺、ちょー元気だよ。」

「へっ…?!その前にナースコールしなきゃ!」 

朔夜「ちょと待って琉歌ちゃん。俺さ言いたいことがあるんた。」

「ん?なに?」

朔夜「俺は、琉歌ちゃんの言葉と体を全力で受け止める。だから『死にたい』なんて言わないで。俺にとっては琉歌ちゃんが大切だから」

安道を抱きしめたい。

バフッ
安道に抱きついた。
「なんで元気なのよ…。」

朔夜「へっ?!俺元気じゃぁだめだっ「安道の事凄く心配してたんだから。バカ!」

朔夜「////。琉歌ちゃん俺、伝えたい事があるから。ちゃんと俺の顔みて。」

伝えたい事?!

「う、うん。」

自分の顔がぐしゃぐしゃの事分かってるよ。でも、安道の顔が見たい。言葉が聞きたいんだ。

朔夜「俺、琉歌ちゃんに嘘ついてたんだ。悠愛ちゃんの事が好きだって、でもねそれは嘘。転校してた時凄くクールで大人の人みたいな人がいたんだ。でもね、その子はクールでもなく大人でもなかった。本当は友達思いで優しい子だった。いつの間にか俺は、その子に恋をしていたんだ。初めてその子の部屋に行った時部屋はモノクロだった。でも、心は明るくて友達思いだった。ある日、その子の過去を知ってびっくりした。でも俺は、その子が好きだった。俺はね琉歌ちゃん!」

「う、うん。」

朔夜「琉歌ちゃんの全てに恋をしました。」 

凄く嬉しくて病気の事忘れちゃうくらい嬉しかった。悲しい涙から嬉しい涙に変わった。私も伝えたい。けどここでは言えない。あそこで言いたいんだ!

「安道…。ちょと行きたい場所があるんだけど行こ?」

朔夜「で、でもまだ検査が…。「そんなのどうだっていいよ。ほら、行こ!」

私は、安道の手を握って病院を出て行った。

走り続けて3分後

朔夜「ハァハァここ公園?!」

「そうだよ公園。安道が助けてくれた。色んな思い出が詰まってる場所。ここで返事をしたいんだ。」

朔夜「あ、うん!」

「ここの公園は、貴方が助けてくれた事もあるし、貴方が私に傷つけた場所でもある。でも、貴方は優しい。私は、貴方の笑顔を見ただけで辛いことや悲しいことがあったときも貴方の笑顔で元気になる。まだ、貴方に助けてもらってばかり。だから私は貴方を助けたい。自分は貴方の全てが知りたい。もっともっと知りたいよ。だからね私は……。」

スーハー

「貴方に恋をしました。」ニコッ

やっと言えた。私の気持ち。

朔夜が私に近付いてきた。

朔夜「キスしていい?」

「う、うん。」




2人の距離は0cmになった。
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